ろうの子どもで良かった?

一昨日遅く、Eテレで明晴学園の特集がありました。

明晴学園とは日本手話ですべての授業を行う唯一のろう学校、という一般的にはもちろんマイナーですがこの業界にいる人ならまぁ知っているという色々な意味で有名な学校です。

 

番組自体は面白く拝見して、終わったあと僕は5chの実況スレを見てみました。僕が今どきの若者ならTwitterでチェックしたのでしょうが、いかんせん方法がわかりません。Twitterは一応匿名じゃないから、5chとは雰囲気が違うかもしれませんが。
スレッドは1時間番組ということもあってろう学校というマイナーなテーマでもそれなりに書き込みはありました。
つらつらログを読んでいるとき、面白い発見があったので書いておこうと思います。

 

番組の途中で、ひとりの子どもにフォーカスが当たりました。彼女は両親もろう、いわゆるデフファミリーの子どもです。
彼女の母親が、自分の娘もろうとして産まれてきてくれて嬉しかった、という話をするシーンがあったのですが、その時のスレの書き込み。

 

「障害者として産まれてきて嬉しいとか頭おかしい」
「母親のエゴだよ」
「こんな考えの人間が親なのは最悪」
「すごく嬉しかったなんて子どもの前で言わないであげて」

 

これらの意見が良い悪いはともかく、実況スレでここだけはわりと全会一致というか、書き込んでいる人たちの意見がおおむねまとまっていたように思いました。
で、僕はこの流れに、あ、これがふつーの反応なんだ! と驚いたわけです。
僕は、母親が子どもと手話で話せるのだから嬉しいのは当たり前と思っていたのですが、ああこれはマイナーな意見なんだ。と。

やっぱりね、この業界にどっぷり使っていると「普通」との乖離に気づかないことがあるんですよ。「普通」と離れてしまうこと自体は問題ない(と思う)けど、「普通」との距離感を認識していないのは危険です。
5chが「普通」かどうかはもちろん議論の余地がありますがね(笑)。

 

ちなみにうちの子どもの場合は・・どっちでも良かったからなぁ。
聴者、とわかったときもあまり感慨はありませんでした。男か女かわかったときくらいの印象ですね。しかしそれは、当たり前ですが僕がそれなりに手話ができるからでしょうし、奥さまの日本語力が高かったからだと思います。

 

この話、たぶん続きます。