ろう協に未来はあるのか?

ろう協の目的ってなんでしょう?

東京都聴覚障害者連盟のホームページには、

 

聴覚障害者の生活・文化・教育の水準の向上を図るとともに聴覚障害者に対する理解を深め、一般社会への参加を促進し、もって福祉の増進に寄与することを目的

 

とあります。

つまりろう者側→生活文化教育レベルを上げる

一般社会側→ろうのこと啓発していく

このふたつの柱で成り立っているわけです。

 

生活レベルを上げるために上の世代の方々は大変な努力をされたかと思います。

ろう者は運転免許すら取得できませんでしたし、準禁治産者扱いでしたからね。そういった不利益や不平等をひとつひとつ解決されてこられたのだと思います。

そのためにろう者同士が集まり、知恵を絞ってどう対処すべきか考えてきた。生活レベルや教育レベルは圧倒的に上がりました。

 

しかしそれは弊害を生んでしまうことにもつながります。

「別に現状で満足だし、ろう者同士でやいのやいの頑張る必要なくね?」

と思う人々が増えてきたのです。当然ですね。

ろう協主催のイベントですと、少なくとも僕が知る範囲だと若い人たちの参加率がとても低いです。そもそも会員の平均年齢とろう者全体の平均年齢にかなりの差があるように感じます。もちろん手元にデータはないですがいくら高齢化社会とはいえ、30代以下の割合は10人にひとりもいないのではないでしょうか。

 

若い世代がいわゆるろう協での活動に興味を持たなくなってきたとき、選択肢としてはふたつあると思うんですよね。

 

1.若い世代に興味を持ってもらう

2.ろう協の規模を縮小していく

 

現状、僕の周りでは致し方なく2の方法を取っているようですね。

会員の気持ちはわかりませんが、2の方法はべつに悪いことではないと思います。コストを下げてコンパクトな運営をすることが時代の流れならそうすべきでしょう。

1の方法はねー…今のままだと厳しいですよね。「聴者(一般社会)は敵!」は言い過ぎかもしれませんけど、そういったコンセンサスがろう者のなかであった時代は社会という強大な敵に団結して立ち向かおうと思えたのかもしれませんが。

 

1-1.若い人たちが共感できるような目的、目標をつくる

どんな企業にも手話通訳、要約筆記を必ずつけられるよう運動しよう、

そのためのロードマップはこうしてああして・・とか。

まぁ手話言語法関連でこのあたりも盛り込んでいるのだと思いますけど。

子育てひろばをつくるとか。大企業で勤めているろう者のQ&Aを行うとかね。やってたらすみません。

 

1-2.ろう協に参加することでベネフィットを得られるようにする

東京都聴覚障害者連盟の会費、15,000円/年です。

これによる特典は東京都聴覚障害者新聞の購読料無料、イベントの割引などですね。うーん‥正直言ってこれで「安い! 入っとこ!」っていう人いないですよね。月1,250円かぁ。が、しかし東京都聴覚障害者連盟の事務局Q&Aには

 

ただ、会員サービスだけでなく、法人会員が増えることで東京都や企業などへ強い力となり、聴覚障害者福祉の向上、社会の理解充実に結びつくことが一番大切なのではないかと思います。

 

とあります。

おお、コスパを求めるなと。崇高な精神こそが大事なのだということですね。まぁ確かに否定はしません。いや、皮肉ではなくて。

これ、会費を無料にはできないんですかね? 法人会員を増やすのが大事であれば無料会員でとりあえず(という言い方はよくないけど)頭数を増やして有料会員というカテゴリを作って様々なベネフィットを受けられるようにするとか。ソシャゲと同じですね。

想像するに会費はろう協の収入の多くを占めているでしょうから、別の問題が浮上するような気はしますが。

 

もしくは会員の活動内容に合わせて給与が出るとか・・でも副業になっちゃうか。まだまだ禁止の会社も多いものなぁ。そもそもそんなことやっていいのかしら。

そういえばろう協の上層部って給与あるんですかね? 今度調べます。一般企業よりたくさんお金がもらえるのなら一生懸命活動する人もいるかも。難しそうですが。

 

一般社会への啓発については後日書きます。たぶん。